【LiveUpCapsules『スパイに口紅』関係者の皆様へ J-Stage Navi制作通信】
1:J-Stage Naviから制作ごとのあれこれを現場のクリエイターの皆様へお伝えしたく、制作通信を発行することにいたしました。制作業務はお稽古場の外で進んでいるため、現場の皆様にはわかりにくいものだと思います。今回はJ-Stage Navi『物語が世界を変える』連動支援企画の第一弾でもあります。この企画が立ちあがった経緯のご説明から始め、様々なご報告もしながら、LiveUpCapsules『スパイと口紅』の成功を願って邁進してゆきますので、共に駆けていきましょう!
2:制作協力会社、J-Stage Naviについて。
J-Stage Naviは、Japan Stage Navigationの略で、日本の舞台公演をナビゲーションしたいという思いをこめて命名しました。
私は制作のお仕事は、公演に向けて色々な事をナビゲーションしていくものだと思っています。
弊社は日本でも珍しい舞台制作専門の会社で、お陰様で、毎年40~50本の公演のお手伝いをさせて頂いてます。業務内容はそれぞれですが、常に一人でも多くのお客様に情報を届け、舞台公演の裾野を広げることを念頭に置いています。
3:『物語が世界を変える』企画について。
私は、人はもっと芝居を観るべきだと思いこの仕事に就きました。
物語は人を成長させ、元気にしたり発散させたりする力があります。
生身の人間が目の前で繰り広げる物語(舞台)はいつの時代も、とても重要なのです。
数々の物語を紹介していき、まずは「物語」に興味を持ってもらう必要がある。
そしてその「物語」を紹介した人が実際に作り出す「物語(公演)」は「どんなものなのだろうか」という興味に必ず繋がる。
4:そして起ち上げた『物語が世界を変える』Twitter。
演劇・ダンス等の舞台芸術のクリエイター達による、物語の紹介アカウントです。お陰様で順調に継続させて頂いています。
閲覧数は、1ツイートでコンスタントに2千を超えています。
今年の鵺的『悪魔を汚せ』公演は、大変な盛況で、公演の後半はお客様が入りきれないほどでした。
『物語が世界を変える』Twitterでは出演者の方数名に『悪魔を汚せ』のご紹介をして頂いたところ、閲覧数が1万を超える方もいて、『悪魔を汚せ』全体では4~5万の閲覧がありました。
こちらは大変手ごたえを感じたものとなり、とても有効な宣伝の一つになったのではないかと思っています。
今回、スパイに口紅でも皆様にご協力を頂ければと思っております。
村田裕子さんは、『物語が世界を変える』Twitterに一番多く投稿してくださっています。
特筆すべきは、弊社の他団体公演の感想をはじめ、他の良かった舞台のことも惜しみなく紹介してくださっていることです。物語を心から愛していることがわかります。
5:『線と油絵具』の成功に至るまで。
村田さんの本は登場する人物がどのような人物なのかが、とても重要です。
キャスティングにより、本も変わります。
『線と油絵具』の主役は、実在した耳の聞こえない画家松本竣介。この松本竣介に説得力がなければ作品の成功はあり得ません。
村田さんが描きたい松本竣介像に、ぴったりだった宮原将護さんに私が出会ったのは、そしてご紹介できたのは運命だなと思いました。
人物像ができあがってくることで本全体が躍動しはじめ、本当に人間が生き生きとしている珠玉の作品になりました。素敵な作品でした。
6:『スパイと口紅』に決まるまで
J-Stage Naviと村田裕子さんのお付き合いは、2011年頃からになります。(うちの早川あゆとのお付き合いはさらに前から(なんと2003年です。)ですが)作品創りは大変丁寧で、厳しい現実と賢明な人物を見守るような視点でいつも描いているなと思っていました。
今回ご紹介するのは、少し前に、村田裕子さんに贈った言葉です。(LUCのHPに掲載してくださっています。)
「歴史を紐解き、心の琴線に触れた人物や事件をテーマに描く村田裕子は、誠実なる作家なのだと思う。
成功者として歴史に名を残す人もいれば、烙印をおされた人生を送った人もいる。が、それぞれの人生は、その人なりに正義を貫き、人を想いやり、世の為人の為に生きようと思った結果でしかないのだと、証明したいのではないかと思う。
歴史の結果を批判するのは容易いことかもしれないが、描きたいことは、人間の熱意そのものなのだと、いつも思う。
J-Stage Navi 島田敦子」
『線と油絵具』の成功は、劇場さんからも称賛され、次回は長期間でのお話をいただきました。
LiveUpCapsulesにとっては、冒険です。
でも、村田さんには迷いがありませんでした。
それは、ここ何回かの公演で出会った俳優さんたちに刺激され、また同時代を生きる他の劇作家や演出家の取り組む姿勢や挑戦にも思うところがあったのでしょう。
そこで、村田裕子の成長に期待する私は連動支援企画を考えました。
これまで彼女一人でこなしてきた業務を、制作会社J-Stage Naviが協力することで、より良くなるよう、バックアップをしたいと思っています。まずは、タイトル、そしてさまざまなビジュアルや宣伝文を村田さんと共に考え、具体化してきました。
脚本を書くという事は大変労力のかかることで、少しでも早く完成で来ていることが好ましいのは言うまでもありません。
今、村田さんはとても苦しんで、でも、とても楽しんで脚本を書き進めていることと思います。
初顔合わせの日に小さな声で「いい本書きます」といった言葉がとても印象的でした。
この仕事を続けていると、宣伝の重要性を常に感じます。
仕事柄、観客を増やす術を皆さんから問われます。これまでの経験上の工夫や努力をお伝えしていますが、正解はありません。世界に発信できる媒体は数あれど、うまく使えなければ情報はただ埋もれていってしまうばかりです。
観劇することを日常にするにはハードルは高いですし、公演直前の告知だけで、舞台公演に足を運んでもらうことは大変厳しいと言わざるを得ません。しかし、私たち演劇に携わる者はすべて舞台公演を続け、それを広めていく責任があります。
公演の成功に向かって走るぜ!!